第22回全国高校生ポスターコンクール(2023年)

テーマ 「21世紀のまつり」           応募総数541点 から選ばれた奨励賞以上の作品です。

※各作品をクリックすることで、詳細をご覧いただけます。

最優秀賞

岐阜県知事賞

大垣市長賞

大垣市教育長賞

大垣市議会議長賞

岐阜協立大学 学長賞

優秀賞

奨励賞

入選者

〈宮城県〉  佐藤凛、太田衣咲、伊藤満月

〈福島県〉  片平彩希、佐藤凛

〈埼玉県〉  小林瑚葵、池田昊海、石川真悠子、及川愛心、干川大輝、片平愛華、岩崎夏子、土屋葉菜、小川由華里

〈東京都〉  横山ちえる、佐々木杏奈、須藤英士

〈静岡県〉  勝呂百枝、中澤亜綺、荻野杏太、野口瑛美、宮野純大朗

〈富山県〉  布村涼葉、澤田悠菜、髙澤泉千花、岡村優里、杉野遥南、廣明杏美、張山莉愛       

〈福井県〉  香川聡美、木下七海

〈愛知県〉  齊藤琴鈴、三輪つかさ、栗本紗也加、鬼頭春花、石動綾、大澤萌希、小野夏穂、後藤彩夏、大田ラウラミキ、宮地優月、加古千尋、内山うた

〈滋賀県〉  小林時生、北方瑠依乃、濱崎そよ、伊藤虎太郎、小島結愛、生川快、文園やちる、辻野佳歩、宮城えいじ

〈大阪府〉  能登梨菜

〈兵庫県〉  尾崎歩楓、伊藤杏奈、浅尾美玖、前田古杜菜、濱之上葵、大西優花

〈岡山県〉  三宅胡春、木多羽桃、金田阿希、立花優莉、遠藤千礼、大村栞莉、池畠百花、安田ちひろ、小林芽生

〈徳島県〉  佐川大翔、松浦遊惵、仁尾胡桃実、高田莉子

〈高知県〉  甲把紫園、吉岡唯織、有藤有香

〈福岡県〉  塚元優羽南、幸田里音葉、佐々木和香菜、佐久間美奈

〈宮崎県〉  村田愛奈

学校賞(2023) 

・岡山県立岡山工業高等学校

・福岡県立太宰府高等学校

・浦和学院高等学校

・愛知県立愛知総合工科高等学校

・兵庫県立姫路工業高等学校

第22回全国高校生ポスターコンクール    審査員講評  

伊藤 豊嗣(審査員長・グラフィックデザイナー)

 今回のテーマが「21世紀のまつり」だと知った時、応募された皆さんはまず何をイメージしただろう。そんなことを思いながら、審査会場に並んだ全作品を見ました。

 すでに21世紀に入っているので、まさに今のことでもありこれからの数十年間のことでもあります。デジタル社会が進み、ロボットやAIが関わってきたり、SNSで盛り上がったり、仮想の体験をするなど、まつりの新しい姿を示そうとする作品が多くありました。

 その一方、コロナ禍で行動が制限されるという経験を経たこともあり、改めてリアルな体験の良さをアピールしようとする作品がありました。その中でも、最優秀賞の「あっっつい祭」はそのことを強く捉えており、キャッチコピーへの込め方がユニークでした。

 岐阜県知事賞の「近代化」は、ビルとビルの間でまつりの要素が縦に積み重なり、これからも力強く存在していくパワーが感じられました。

 また、「これまでのまつりのあり方はもう望めないのでは?」という将来への不安を伝えようとする作品もいくつかありました。大垣市長賞の「今のうちに食べておこう」は、まつりで出会う食べものや飲みものがみな昆虫食になってしまうことを表現していて、見る側をゾクッとさせるインパクトがありました。

 テーマに「21世紀」が加わったことで、応募者がこのように発想を広げ表現に取り組まれたことは、たいへん良かったと思いました。

未来はあつい/髙木 毬子(審査員・同志社女子大学准教授)

 第22回全国高等学校ポスターコンクールでは、定番課題の「まつり」に、「21世紀の」という時間枠が加わった。これまでとは違って伝統的なモチーフやテーマ、固定概念に頼らず、現在や近未来のフェスティバルをイメージしてもらいたかった。高校生たちは、どのようなおまつりを夢見ているのだろうか?

 ポスターを通して送られてきたこの問いへの反応は、いろとりどりであった。応募総数541点のデザインから審査員が選んだ作品群の中には、人とロボット・テクノロジーの共存、ジェンダーや文化の多様性、気候変動が及ぼす私たちへの課題、空に向かって縦に伸び続ける大都会、日常のデジタルやバーチャル化が描かれるものがあった。

 中でも、小谷結彩さんによる『あっっつい祭』は、一貫して審査員の注目を浴びた。『21世紀の地球温暖化』にも負けず、1人の女性が力強く、自由に踊っている。現実から目を背けず、動き続けているダンサーから、希望が伝わってくる。

 小谷結彩さんの作品は、クリティカルシンキングに伴い、視覚的表現力、図の構成のクォリティの高さに続き手描きであることが、印象的である。

出品作品全体の動向について/桐山 岳寛(審査員・大同大学講師)

 審査にあたって感じたことは、テーマに掲げられた「21世紀」という言葉をどう解釈し、作品づくりに反映させるかが大きなポイントの一つだった、ということだ。この語は、この時代の様々な課題や期待を内包していて、今世紀以降に生まれた世代にとって、避け難く自分自身の生きる舞台に向き合うことを仕向けるものでもあった。

 出品作を俯瞰してみると、「21世紀」への解釈を「私たちの未来」と「過去から連なる現代」とに分けることができた。そして、それとは別に、この言葉を楽観的に、あるいは悲観的に捉えるという2つの方向性があった。後者にはこれをユーモアやコミカルさをもって表現するものも多かったのだけれど、それが却って彼らの社会に対する視座を、しばしば強い危機感の意識を伴いつつ、より鮮やかに示す結果となった。寄せられたポスターの全体が私たちに語りかけるメッセージを決して見逃さずにいたいと思う。 

表彰式の様子  

審 査 員

伊藤豊嗣(審査員長・グラフィックデザイナー)

堀冨士夫(日本国際ポスター美術館館長)

髙木毬子(同志社女子大学准教授・グラフィックデザイナー)

宮川友子(岐阜市立女子短期大学講師・グラフィックデザイナー)

桐山岳寛(大同大学講師・インフォメーションデザイナー)

主催:認定特定非営利活動法人  日本国際ポスター美術館

共催:大垣市、大垣市教育委員会、岐阜協立大学

後援:岐阜県、岐阜県教育委員会、(公財)大垣国際交流協会、大垣商工会議所、大垣青年重役会