第22回全国高校生ポスターコンクール(2023)

  テーマ 「21世紀のまつり」  

応募総数541点 から選ばれた奨励賞以上の作品です。

最優秀賞

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あっっつい祭


小谷 結彩

兵庫県立姫路工業高等学校3年

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制作意図】

21世紀の中でも地球温暖化で気温が高くなった未来の祭りを描きました。祭りの踊り手は衣装を着て、激しく踊るのでより一層熱くなると思い、踊りながら暑そうにしている女性の絵を描きました。 

岐阜県知事賞


近代化


本多 亜土

愛知県立愛知総合工科高等学校3年


【制作意図】

テーマを聞いて浮かんだのが近代化でそれが進むことによって高層ビルがたくさん建てられました。そんな中祭りという日本の文化は絶えずして存在し続けています。なので祭りを高層ビルのようにし近代化を表しました。

大垣市長賞


今のうちに食べておこう


星野 虹春

福岡県立太宰府高等学校1年


【制作意図】

日本の食料自給率が低く、食糧不足が進んでいる今、このままでは屋台の食べ物も昆虫食になると思い、そうなりたくないから、絵を観てくれる方々に注意喚起を促して少しでも未来を変えるきっかけになれたらと思った。

【大垣市教育長賞】


SHINJIDAI


山村 綾音

福岡県立太宰府高等学校1年


【制作意図】

まつりで買えるものが全て電子マネーに変わっていったり、マスクをし続けている人がまだまだいたり、まつりはこれから大きく変わっていくと思います。でも全てが変わってしまうわけではないと願っています。

【大垣市議会議長賞


Bon Odori(ぼんおどり)


柴原 百花

愛知県立瀬戸工科高等学校3年 


【制作意図】

21世紀らしさを考えた時に、ジェンダーレスが浮かんできたので、どっちともとれる髪型と服装にして、祭りらしさを考えた時、盆踊りが浮かんだので、その2つをかけあわせました。

【岐阜協立大学 学長賞】


祭りは楽しい


森 

岡山県立岡山工業高等学校 3


【制作意図】

まつりは楽しい、他のことも気にならないくらいわくわくできるものというイメージがあります。なので、マスクをつけることもマスク跡も気にならないくらいまつりは楽しいものだということを感じてもらいたいです。

【優秀賞】

もういいかい?


阿南 舞音

宮崎県立佐土原高等学校2年


【制作意図】

新型コロナウイルスの流行により、今まで参加できていた祭りなどにも行けなくなり、とても悲しかったのですが、最近、マスクや声出しなども解禁され、そろそろ祭りにも行けるかな?という思いを込めました。


【優秀賞】

えだ豆祭はじめました。


井島 絵瑠夢

福岡県立太宰府高等学校1年


【制作意図】

この作品は、私の地域で行われている「枝豆収穫祭」をモチーフにしています。この祭がずっと続いてほしいと思い描きました。文字の一部である枝豆を強調するために、文字の色をパステルカラーで調和させました。


【優秀賞】

忘れてしまった風景


井手口 さくら

福岡県立太宰府高等学校1年


【制作意図】

私は、祭がどのような風景だったかがあやふやで、思い出そうとしている所を絵にしました。記憶の中のふわふわとしたイメージをペールトーン。祭の伝統的なイメージをディープトーンを使って表現しました。


【優秀賞】

共生


王 語嫣

浦和学院高等学校1年


【制作意図】

21世紀を過去、現在、未来に分けて、技術を発展し自然を守る。この2つを共在して未来を作る。また、現代科学と伝統文化や技術と自然など対立のものを共生できるの社会を作る。



【奨励賞】

変わらず感じたい

大江 雪乃

埼玉県立越生高等学校3年

【奨励賞】

ふたりで―。

小川 桜夜

富山県立富山北部高等学校2年

【奨励賞】

第1回宇宙祭り2099

片山 友花

岡山県立岡山工業高等学校3年

【奨励賞】

はみだせ、21世紀。

河上 愛実

岡山県立高梁城南高等学校2年

【奨励賞】

お祭りといえば‼

川野 結

兵庫県立姫路工業高等学校2年

【奨励賞】

魚空(ぎょぞら)

木津 胡桃

東海大学付属相模高等学校2年

【奨励賞】

シン・マツリ

木村 夢奈

静岡県立御殿場高等学校3年

【奨励賞】

クロス新宿ビジョンにて祭り開催

斉藤 彩芭

岡山県立岡山工業高等学校3年

【奨励賞】

不易流行

髙木 明珠花

愛知県立愛知総合工科高等学校3年

【奨励賞】

人々、色々、提燈、色々

髙田 美羽

富山県立小杉高等学校3年

【奨励賞】

変わりゆく夏祭り

谷上 莉子

愛知県立愛知総合工科高等学校3年

【奨励賞】

今年は

土田 理紗

埼玉県立越生高等学校3年

【奨励賞】

中林 真茶

神戸星城高等学校3年

【奨励賞】

義士祭

廣田 一翔

兵庫県立姫路工業高等学校3年

【奨励賞】

ぱち ぱち

前田 成穂

名古屋市立工芸高等学校3年

【奨励賞】

きみとのまつり

松裏 心琉

滋賀県立栗東高等学校3年

【奨励賞】

涼しい夏がいい

松永 ゆう

浦和学院高等学校1年

【奨励賞】

Melting apple candy

水間 隆太

愛知県立愛知総合工科高等学校3年

【奨励賞】

手を伸ばせば届きそう

宮川 暦

東海大学付属相模高等学校3年

【奨励賞】

「舞」

山田 らいら

愛知県立瀬戸工科高等学校3年

   【入選者】   

 入選者は氏名のみの発表とさせていただきます。(大垣市スイトピアセンターの作品展覧会場では、入選者の作品も展示します。)

 惜しくも上位入賞を逃した作品の作者名を、入選者として発表します。入選者については、下記をご確認ください。

(入選者への賞状の授与はございません。)

   【学校賞(2023) 】   

     ・岡山県立岡山工業高等学校

     ・福岡県立太宰府高等学校

     ・浦和学院高等学校

     ・愛知県立愛知総合工科高等学校

     ・兵庫県立姫路工業高等学校


  ◆第22回全国高校生ポスターコンクール    審査員講評  

●伊藤 豊嗣(審査員長・グラフィックデザイナー)


 今回のテーマが「21世紀のまつり」だと知った時、応募された皆さんはまず何をイメージしただろう。そんなことを思いながら、審査会場に並んだ全作品を見ました。

 すでに21世紀に入っているので、まさに今のことでもありこれからの数十年間のことでもあります。デジタル社会が進み、ロボットやAIが関わってきたり、SNSで盛り上がったり、仮想の体験をするなど、まつりの新しい姿を示そうとする作品が多くありました。

 その一方、コロナ禍で行動が制限されるという経験を経たこともあり、改めてリアルな体験の良さをアピールしようとする作品がありました。その中でも、最優秀賞の「あっっつい祭」はそのことを強く捉えており、キャッチコピーへの込め方がユニークでした。

 岐阜県知事賞の「近代化」は、ビルとビルの間でまつりの要素が縦に積み重なり、これからも力強く存在していくパワーが感じられました。

 また、「これまでのまつりのあり方はもう望めないのでは?」という将来への不安を伝えようとする作品もいくつかありました。大垣市長賞の「今のうちに食べておこう」は、まつりで出会う食べものや飲みものがみな昆虫食になってしまうことを表現していて、見る側をゾクッとさせるインパクトがありました。

 テーマに「21世紀」が加わったことで、応募者がこのように発想を広げ表現に取り組まれたことは、たいへん良かったと思いました。


●未来はあつい/髙木 毬子(審査員・同志社女子大学准教授)


 第22回全国高等学校ポスターコンクールでは、定番課題の「まつり」に、「21世紀の」という時間枠が加わった。これまでとは違って伝統的なモチーフやテーマ、固定概念に頼らず、現在や近未来のフェスティバルをイメージしてもらいたかった。高校生たちは、どのようなおまつりを夢見ているのだろうか?

 ポスターを通して送られてきたこの問いへの反応は、いろとりどりであった。応募総数541点のデザインから審査員が選んだ作品群の中には、人とロボット・テクノロジーの共存、ジェンダーや文化の多様性、気候変動が及ぼす私たちへの課題、空に向かって縦に伸び続ける大都会、日常のデジタルやバーチャル化が描かれるものがあった。

 中でも、小谷結彩さんによる『あっっつい祭』は、一貫して審査員の注目を浴びた。『21世紀の地球温暖化』にも負けず、1人の女性が力強く、自由に踊っている。現実から目を背けず、動き続けているダンサーから、希望が伝わってくる。

 小谷結彩さんの作品は、クリティカルシンキングに伴い、視覚的表現力、図の構成のクォリティの高さに続き手描きであることが、印象的である。 

●出品作品全体の動向について/桐山 岳寛(審査員・大同大学講師)


 審査にあたって感じたことは、テーマに掲げられた「21世紀」という言葉をどう解釈し、作品づくりに反映させるかが大きなポイントの一つだった、ということだ。この語は、この時代の様々な課題や期待を内包していて、今世紀以降に生まれた世代にとって、避け難く自分自身の生きる舞台に向き合うことを仕向けるものでもあった。

 出品作を俯瞰してみると、「21世紀」への解釈を「私たちの未来」と「過去から連なる現代」とに分けることができた。そして、それとは別に、この言葉を楽観的に、あるいは悲観的に捉えるという2つの方向性があった。後者にはこれをユーモアやコミカルさをもって表現するものも多かったのだけれど、それが却って彼らの社会に対する視座を、しばしば強い危機感の意識を伴いつつ、より鮮やかに示す結果となった。寄せられたポスターの全体が私たちに語りかけるメッセージを決して見逃さずにいたいと思う。 

  【表彰式の様子】  

【 審 査 員 】

伊藤豊嗣(審査員長・グラフィックデザイナー)

堀冨士夫(日本国際ポスター美術館館長)

髙木毬子(同志社女子大学准教授・グラフィックデザイナー)

宮川友子(岐阜市立女子短期大学講師・グラフィックデザイナー)

桐山岳寛(大同大学講師・インフォメーションデザイナー)

主催:認定特定非営利活動法人  日本国際ポスター美術館

共催:大垣市、大垣市教育委員会、岐阜協立大学

後援:岐阜県、岐阜県教育委員会、(公財)大垣国際交流協会、大垣商工会議所、大垣青年重役会