第21回全国高校生ポスターコンクール(2022)

  テーマ 「まつり」  

応募総数830点から選ばれた奨励賞以上の作品です。 

最優秀賞

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今年こそ。


難波 佐和

岡山県立岡山工業高等学校 2年

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【制作意図】

祭りならではの非日常の物事から、ハッときづく自分の気持ちを「あの子と行きたい。」というキャッチコピーで伝えました。自分の気持ちにきづいたり、祭りの様子を想像している絶妙な表情にしました。 

【U.G.サトー賞】


ええじゃないか


下川 紗葉

大分県立芸術緑丘高等学校  2年


【制作意図】

ここ2年間、新型コロナウイルスの影響で祭りが中止になってしまい、夏の風物詩であるまつりを楽しむことができなかったと思います。そのため今年こそは祭りを楽しみたいという思いを込めて制作しました。

【岐阜県知事賞】


狐 火


五十嵐 なつ

山形県立鶴岡中央高等学校  2年


【制作意図】

妖々しさと怖さを表現しながら描きました。最初は祭りの楽しさを絵にしようと考えましたが、妖々しさもあっていいのではないかと思い、他の人とは違う自分なりの絵を描きました。

【大垣市長賞】


遠いとぼやけるなぁ,,,花火。


山口 さくら

岡山県立岡山工業高等学校2年


【制作意図】

コロナ渦の今、祭りも開催されず、花火も見れても自分の家から。その花火を撮影しようとしても距離が遠すぎてぼやけてしまう、ああ、近くで花火を見たいー!という思いを表現しました

【大垣市教育長賞】


花火より屋台


水本 花菜

福岡県立太宰府高等学校 1年 


【制作意図】

夏祭りに、花火やイベントそっちのけで、屋台の食べ物に夢中になっている子どもを題材にしました。口の周りにアイスクリームがべっとりついていたり、頭の中が食べ物で一杯ナトコを描くことで、無邪気さを表現しました。

【岐阜協立大学 学長賞】


素隠居


沖 菜々心

岡山県立岡山操山高等学校 2年


【制作意図】

素隠居は翁と媼の面を被った人のことです。素隠居の持っている渋いうちわで祭りの物見客が頭を叩かれるとご利益があります。笑って逃げる子どもを追い、踊り、練り歩く素隠居が倉敷の町を笑顔にするようするを描きました。

【優秀賞】

祈りと感謝


伊藤 綾夏

 東邦高等学校  3年


【制作意図】

「まつり」と聞いて「奉り」を思い浮かべたので、祈年祭をイメージして制作しました。献上する時人々は献上する人を静かにじっと見ていると思ったので、後ろ姿を入れ、色で静かさを出せるように意識しました。


【優秀賞】

地球のまつり


入野谷 葉琉

岡山県立岡山工業高等学校3年


【制作意図】

世界には様々な祭りがあり、その全てに”熱気”があります。コロナの影響で絶たれてしまった人々の祭りに対する熱い想いを、今年こそ蘇らせたい!という願いを込めて描きました。


【優秀賞】

黄色に輝く1日を~いちょうまつり~


三浦 月愛

滋賀県立栗東高等学校  3年


【制作意図】

地元の秋の祭、いちょうまつりをモデルに描きました。動物達のように人も楽しく集まれる温かい空感をまた味わいたいという想いを込めました。動物達には祭のドレスコードである黄色いモノを身に付けてもらいました。



【優秀賞】

祭人間


若林 陽菜

富山県立小杉高等学校  3年


【制作意図】

「祭」という文字自体をお神輿として大勢の人達が運ぶ姿とその様子を見ている人達をポスターにしました。祭は開催する人と遊びに来る人がいてこそなので人を密集させた感じにしてにぎわっている様子を描きました。


【奨励賞】

いざ、盛り上げに。

上田 美緩

滋賀県立栗東高等学校2年

【奨励賞】

踊らにゃ損々

浦田 さくら

群馬県立西邑楽高等学校3年

【奨励賞】

心躍れ

國井 碧海

東海大学附属相模高等学校3年

【奨励賞】

栗田 優羽

大分県立芸術緑丘高等学校2年

【奨励賞】

オモイデホシクナイ?

小林 鈴音

愛知県立小堺高等学校1年

【奨励賞】

「風車」

小林 美優

愛知県立瀬戸工科高等学校3年

【奨励賞】

線香花火

酒井 祥希

愛知県立今治工業高等学校2年

【奨励賞】

楽しい祭、終演。

佐久間 美奈

学校法人筑陽学園高等学校1年

【奨励賞】

どの金魚をすくおうかな?

菅野 愛桜

岡山県立岡山工業高等学校2年

【奨励賞】

わっしょい!

腰塚 仁季

名古屋市立工芸高等学校

【奨励賞】

じゃわめぐ

髙橋 葵

宮城県立宮城野高等学校3年

【奨励賞】

イカ焼きの踊り

徳永 那海

大分県立芸術緑丘高等学校2年

【奨励賞】

夏の風物詩

西出 優芽

高知県立高知東高等学校2年

【奨励賞】

祭りの夜を歩く

野未 陽和

静岡県立浜松工業高等学校3年

【奨励賞】

彦坂 優空

愛知県立豊橋東高等学校1年

【奨励賞】

「たまや」

福田 香太朗

高知県立高知東高等学校

【奨励賞】

そいや!

前田 陽葵

大分県立芸術緑丘高等学校2年

【奨励賞】

マスクつり

向井 美空

福岡県太宰府高等学校1年

【奨励賞】

金魚すくいやりたい!

山下 咲陽

埼玉県立越生高等学校3年

【奨励賞】

火木銀花(かじゅぎんか)

吉田 琴音

滋賀県立堅田高等学校3年

  【入選者】  

 入選者は氏名のみの発表とさせていただきます。

 惜しくも上位入賞を逃した作品の作者名を、入選者として発表します。入選者については、下記をご確認ください。

【 入選者への賞状の授与はございません。 】

  【学校賞】  

    ・宮城県宮城野高等学校

    ・名古屋市立工芸高等学校

    ・東邦高等学校 

    ・岡山県立岡山工業高等学校

    ・福岡県立太宰府高等学校

    ・大分県立芸術緑丘高等学校 

  ◆第21回全国高校生ポスターコンクール    審査員講評  

上位受賞者へ向けて審査員長からのメッセージ/U.G.サトー(グラフィックデザイナー)

 

長期にわたるコロナ禍からも、昨年より多くの作品の応募があったことは、嬉しい限りだ。生活様式が多く変わってしまった中でも「まつり」というテーマに希望を見出し、これからの未来の祭りに引き継いでいかれれば何よりだ。

ピンクをバックに大きく本人の顔を掲げて今年こそ「あの子と行きたい。」というキャッチフレーズを、さりげなく配した秀逸な作品である。 

この二年間、新型コロナウイルスの影響でまつりが中止になったことをバネにして、夏の風物詩であるまつりを、大いに楽しみたい。炎天下で和装に体を包み、“ええじゃないか”とハッスルしている二人の様子が、良く描かれています。 

まつりに、敢えて怪しさと怖さを表現しようと、堂々と「狐火」のマスクと着物でチャレンジした逸品。 

夏まつりの象徴“花火”に挑戦したが、やっぱり無理だったか・・・でも、更に工夫すれば、きっと凄い!映像が撮れるようになるかもしれないね! 

まつりは、屋台と食べ物に夢中になる子ども。子どもがアイスクリームを美味しそうに食べる無邪気な様子をアップにしたもので、明るい楽しさがでているね! 

素隠居は翁と媼の面を被った人のこと。素隠居の渋うちわで祭りの物見客が頭を叩かれると、ご利益があるという謂れをもとに、素隠居が練り歩く倉敷の町が立体的に描かれていて、楽しさが伝わる。  

祈念祭で、まつりの人々が静かにじっと見つめる献上人の後ろ姿を、大きく取り上げてみたもの。まつりの厳かな雰囲気が伝わります。 

世界の様々な祭りを取り上げ、日本にはない祭りの姿を表現しています。他にはない“まつり”のグローバルな魅力を伝えています。 

地元のいちょうまつりを「黄色に輝く1日」として、身近な兎や羊達を配しながら演奏する風景を描いたもので異色な作品。 

“祭”という文字をお神輿にして、大勢の人達が運ぶ姿を大きくアップにして描いています。まつりの大きさを図表的に楽しく表現されています。 

◆アナログとデジタルが混合するデザイン祭り/髙木 毬子(同志社女子大学メディア創造学科 准教授)

 

 全国から寄せられたデザインをみて強く感じたことが 2つある。

1つ目は、「祭り」の視覚化レシピが存在しているようだった。ティーンエイジャーである応募者の大多数が伝統的な「祭り」の視覚的概念の枠組みの中でデザインを完成させていた。同じようなキーワードを利用しつつネット検索をかけた結果でしょうか ?

 ステレオタイプの「祭り」から離れていた作品こそが今回、目にとまった。その中には最優秀賞の難波佐和さん、優秀賞の三浦月愛さん、入野谷葉琉さんなどの作品があった。

 もう一つは、ある程度の距離から見ると、手描きなのかデジタルで制作されたのか区別しづらい作品がいくつかあったことだ。実際、ポスターの表面に触れ、確認したくなるほどだった。最優秀賞の難波佐和さん、優秀賞の伊藤綾夏さん、三浦月愛さんの作品のような「フラット」な色使いやレタリングされた文字がデジタル要素を思わせる。

 そして、この2つの観察はつながっている。手軽にクリック 1つでアクセスできる情報を今後どのように自らの作品につなげていくのか、このコンクールを超える大きな課題だ。そのためには枠組みから飛び出す勇気、そして想像性を持たなければいけないと思う 。




【 審 査 員 】

U.G.サトー(審査委員長・グラフィックデザイナー)

堀冨士夫(日本国際ポスター美術館 館長)

山本 譲(大垣市教育長)

髙木毬子(同志社女子大学准教授)

宮川友子(大垣女子短期大学講師)

桐山岳寛(大同大学講師)

主催:認定特定非営利活動法人  日本国際ポスター美術館

共催:大垣市、大垣市教育委員会、岐阜協立大学

後援:岐阜県、岐阜県教育委員会、(公財)大垣国際交流協会、大垣商工会議所、大垣青年重役会