19回全国高校生ポスターコンクール(2020

  テーマ 「~ 今、 私が思うこと!伝えたいこと! ~  」  

応募総数796点から選ばれた奨励賞以上の作品です。 

最優秀賞、岐阜協立大学学長賞

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Animal  rights 


馬瀬 日向子  

宮城県立土佐原高等学校2年 

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【制作意図】

犬や猫の殺処分、角や牙、毛皮のために殺される動物、食肉のために殺される家畜など、人為的に死んでしまう動物たちにも生きる権利があると思います。動物達の瞳に光を入れたのは動物達の持つ希望を表しています。   

【U.G.サトー賞】


哄笑 


佃 華凛  

岡山県立岡山工業高等学校3年


【制作意図】

コロナによって友達と過ごす時間がなくなったり、人目を気にせず歯を見せるぐらい大きな笑顔が出るのが少なくなった。私はこのポスターで友達や仲間と過ごす日々を大切にしてほしいという思いを伝えたかった。

【岐阜県知事賞】


お話しようよ


松本 陽花  

九州産業大学付属九州高等学校2年 


【制作意図】

私たちは今、人と会うことや今まで通りにすごすことが難しい世界になっています。だからこそ電話や手紙、SNSなどで会えない分だけたくさん話して会えなくても誰かとつながっていたいという気持ちを描きました。

【大垣市長賞】


「今」を塗り替えろ!


町田 美樹  

岐阜県立岐阜総合学園高等学校2年 


【制作意図】

コロナで世界が暗くなっているのを日々感じるので、この現状から抜け出して早く以前の生活に戻ってほしいな、という思いで描きました。力強くハケを動かす手は、「今」を塗り替えて良くしていく様子を表しています。

【大垣市教育長賞】


向き合ってくれてありがとね。


横田 怜美  

岡山県立岡山工業高等学校2年  


【制作意図】

社会が変化していく中で、LGBTの方たちが生きづらい世の中を少しでも変えたいという思いで描いた。カミングアウトをしてみる勇気を与え、された側も否定をせず受け入れる心を持ってほしい。

【優秀賞】

「つぎ」あったら何しよっか


五十嵐 あやり  

富山県立高岡工芸高等学校2年



【制作意図】

コロナによる外出自粛中も友人や恋人と通話等で自粛期間が終わったら何をするか考えて前向きに頑張ろうという思いを基に描きました。コロナ禍に差し込む光をイメージし紫と黄色を多く使いました。

【優秀賞】

やりたいことがいっぱいだ!


江田 琴美 

岡山県立岡山工業高等学校2年



【制作意図】

自分の今や将来を不安に思う一方でアレもコレもといろんなことに挑戦したい!経験したい!というあふれて止まらない気持ちを心のままにめいいっぱい詰めこんで描きました。

【優秀賞】

修学旅行に行きたい!!


佐伯 和泉 

岡山県立岡山工業高等学校2年



【制作意図】

一年生のことから楽しいにしていたけれど、行くことができなくなってしまった修学旅行。訪れる予定であった東京の雷門を大きく画面に構成することで、修学旅行に行きたい気持ちを表現しました。



【優秀賞】

殻を破れ。 


佐藤 里楠子  

九州産業大学付属九州高等学校2年



【制作意図】

多数派の意見に埋もれてしまうのはもう終わりだというメッセージを込めた。社会的マイノリティに対して寛容であるべきだ。そして多種多様の個性が活躍する社会となって「マイノリティ」という言葉が無くなる事を願う。

優秀賞

止めませんか?見ないフリ

渡邊 碧天 

香川県立坂出商業高等学校1年


【制作意図】

目の前の問題を先送りにして、その問題に向き合わなければ、その問題は解決せず、いつか自分たちに帰ってくる。ということを表現しました。

  【入選者】  

 入選者は氏名のみの発表とさせていただきます。

 惜しくも上位入賞を逃した作品の作者名を、入選者として発表します。入選者については、下記をご確認ください。

【 入選者への賞状の授与はございません。 】

  【学校賞】  

    ※該当なし

  ◆第19回全国高校生ポスターコンクール    審査員講評  

上位受賞者へ向けて審査員長からのメッセージ/U.G.サトー(グラフィックデザイナー)


自分たちも生きる権利があるんだと、羊や牛、豚や犬たちの顔が正面に向いていてアップで静かにアピールしている様は美しく他のポスターには見られない強さでせまってくる。 

コロナ禍、思いきり自分を表現したい衝動にかられて生まれたポスター。 口を開き、白い歯を見せ、黒髪を揺らしての 天に叫ぶ表情が見事に描かれていて圧倒される。 しかしこのシーンを説明するために考えられた「わ゛あへは…」のフレーズはあまりにも投げやりに作ら れたもので 折角のポスターをナンセンスにしてしまったことは残念であった。   

外出自粛中にも誰かとたくさん話したい気持ちが手紙の形になり、青いスペースにポエティックに散りば められていて美しい! またそんな気持ちを繋ぐ流れるような細くて白い線が画面の中央にもフォローされ、爽快である。 

赤・黒に 2 分する強烈な画面。刷毛も手も丁寧に描かれていて美しい。 「今」を塗り替えるにふさわしいポスターである。 

LGBT の人々の不安に向き合う二人を顔や表情を見せず、穏やかなタッチで描いた美しいポスター! 

捨てたつもりのゴミはどこへ行くのかな?そんな疑問を揶揄しながら地球上の大問題をシンプルに分かり やすくデザインした一点。 抑えた色調もなかなか! 

東京名物、雷門を見事に切り取り、「行きたい」のフレーズが画面に動きを与えている!   

コロナ禍が経った後の楽しみをマンガタッチでにぎやかに描いたポスター。 この画面では人物の回りの白い囲みは不要。 将来もますます描きまくって欲しいね! 

コロナ禍が経った後、2 人がまた会う楽しみを漫画風な表現で描いたポスター。 モノトーンで表現しているが、もっとカラフルでも良かったね! 

たくさんの図形のある中で正円だけではなく、楕円や細い丸、長い丸、小さい丸、二重丸、三重丸など… 様々な丸を使うなどして、殻を破るあなたのデザインを見せて欲しかったね!  

審査を終えて感じる  「ポスターの魅力」  桐山 岳寛 大同大学情報学部講師

 

 今年度のテーマ「今、わたしが思うこと、つたえたいこと」が、ひとりひとりの応募者のなかで広く様々に解釈されたことは審査を行う立場として興味深かった。新型コロナウィルス感染症に関する作品が多かったことは確かだが、LGBT、いじめ、環境問題、思春期の葛藤、漠然とした不安など、制作者の伝えたいことは一様でなく、このこと自体が多様なアイデアや表現につながっていたのを感じる。

  作品の「独自性」は、一般にテーマ設定と表現手法によって明らかになるところが大きいが、それは作り手の普段からの問題意識や社会観察によって深くも浅くもなる。しかしながら、ひとつの傾向として言えることは、上位作品には、これを「前向き」な、あるいは「ユーモラス」な視覚メッセージへと転換したものが選ばれた、ということである。そこには、悲惨さを訴えるものや危機感を煽るものよりも、見るものの心に暖かく語りかけてくる魅力があった。

  「ポスターの強さ」はそのサイズ感にあり、そこにこそポスターによる情報伝達の根本的な意義がある。そのスケールでしか伝えることのできない「何か」を追求した作品に、今後も期待していきたい。






【 審 査 員 】

U.G.サトー(グラフィックデザイナー)

堀 冨士夫(日本国際ポスター美術館 館長)

竹内 治彦(岐阜協立大学 学長)         

山本 譲(大垣市教育長)

宮川 友子(グラフィックデザイナー、大垣女子短期大学講師)

桐山 岳寛(インフォメーションデザイナー、大同大学講師)



主催:認定特定非営利活動法人  日本国際ポスター美術館

共催:大垣市、大垣市教育委員会、岐阜協立大学

後援:岐阜県、岐阜県教育委員会、(公財)大垣国際交流協会、大垣商工会議所、大垣青年重役会