第23回全国高校生ポスターコンクール(2024年)

テーマ 「水とともに」           応募総数707点 から選ばれた奨励賞以上の作品です。

※各作品をクリックすることで、詳細をご覧いただけます。

最優秀賞

岐阜県知事賞

大垣市長賞

大垣市教育長賞

大垣市議会議長賞

優秀賞

奨励賞

入選者

<北海道> 瀬谷 日和

<青森県> 小野 一馬、佐藤 香苺

<宮城県> 武部 ゆかり、阿部 佑彩来、菅原 凛々子、小野 梨々子

<福島県> 鈴木 美穂

<群馬県> 児島 友佳子

<東京都> 川口 福、小嶋 興季

<神奈川県> 中村 愛、登 飛鳥、松尾 美南

<富山県> 斎藤 結奈、千田 基衣、吉田 日向葵、山口 和夏、河上 雫、高澤 泉千花、廣明 杏美、竹田 咲紀

<静岡県> 荻野 ゆずか、加藤 奏多、袴田 詩依

<愛知県> 島野 愛里、今西 愛葉、庄内 美聡姫、川﨑 広翔、南 結名、竹内 綾人、星 こころ、服部 めぐみ、浜崎 未来翔、金海 はる香、杉山 鈴、牧 舞琴

<岐阜県> 寺倉 百々花、大橋 桜奈、田中 結乃、小石 歩果

<滋賀県> 堀池 あおい、藤本 蕾、浅井 柚月、三木 穂佳、松澤 真優、杉本 健、服藤 楽々、小谷 胡桃、大井 由喜子、増田 雛里、吉田 愛梨、鞍口 悠一郎、松崎 蓮慈、岡田 美優、平田 伶奈、大橋 采奈、土川 紗良、岡部 あぐり、佐野 真子、三谷 仁琴

<大阪府> 寺嶋 七彩

<兵庫県> 阪口 朔句、中井 莉雪碧、須山 夏海、川野 結、浅尾 美玖、田口 万葉、川上 心優、青木 はな、石原 春花

<岡山県> 福井 こまち、野田 菜緒、和田 泉美、村上 彩花、岩本 咲葵 <鳥取県> 南田 拓海、青木 友宏、澁谷 七星、片山 瑠菜、菅岩 愁真、永田 七海、小椋 万鈴

<香川県> 松尾 真美子、湯淺 葵乃

<徳島県> 森 万紘、志摩 実咲、山下 朝陽、楠本 臣

<福岡県> 田中 結、南 夏希、松木 馨凛、佐藤 宇多、中本 稀空、中村 陽向、前津 千羽、安藤 さし、村石 梨花

<大分県> 末永 菜央、武井 そら、山根 志緒里、橋迫 蓮、後藤 あおば

<宮崎県> 安楽 由真、阿南 舞音

<沖縄県> 大城 沙和

学校賞(2024) 

・福岡県立太宰府高等学校

・滋賀県立大津高等学校

・大分県立芸術緑丘高等学校

・愛知県立愛知総合工科高等学校

・富山県立富山北部高等学校

・名古屋市立工芸高等学校

第23回全国高校生ポスターコンクール    審査員講評  

人に深く届くポスターとは伊藤 豊嗣(審査員長・グラフィックデザイナー)

 この高校生ポスターコンクールのテーマは、 昨年は「21世紀のまつり」でしたが、 今年は「水とともに」となりました。 水についての良い環境や水と生きものとの良い関係を伝えるテーマです。

 平和・環境・人権など社会的なテーマについて発信するポスターでは、 メッセージとして伝えようとしているのはいずれも「良い状態にしよう」「良い状態を維持しよう」であって、 「悪い状態でいいんだ」 というものはありません。 ただ、 そのプラス方向のメッセージに至るまでに見せる場面としてはプラスの場面、 マイナスの場面の両方があります。 良い状態の世界を示して「これを維持しよう」「これを実現しよう」となり、 悪い状態を示して「そこから変わって良い状態にしよう」となります。(時には、 プラス、マイナス両方を同時に見せて「あなたはどうしますか」と問いかけてくるものもありますが。)

 今回、 全国から集まった700点を超す作品の表現にも、 その両方が見られました。 また、 水がくれる良いこともあ れば、 水がもたらす悪いこともありました。(洪水や酸性雨なとてすが、 その原因となる環境の悪化は人によるものですね。)一つのテーマに対して様々な切り口が見られたのは良いことでした。 反面、 テーマを拡大解釈して求められている本筋から外れていて、 選外とした作品もいくつかありました。

 ポスターなどの広告において、 どんなメッセージをしようかという「コンセプト」と、それをどんな方法で見せるかという 「表現」はデザインする上で両輪です。 一方だけでは弱く、 両方が噛み合ってこそ力になります。 今回、 入選になった作品には、 場面を象徴的に見せるアイデア(題材を絞り込む・ 何かに例えるなど)があったと思います。 さらに入費作品には、 それを人の印象に残すうまさが見られました。

 最優秀賞となった「思いこみ」は、 大胆な構図でストレー トに発信していて、 透明な水と澄んだ 目に強さがありました。 大垣市教育長賞の 「水は、 やさしいね。」には、 水を擬人化し人と重ね合わせるユニークさがあり、 このコンクールの歴代最優秀作品に通じる面白さを感じます。 キャッチフレーズの表現が、 水と人の共通した悲しみを言い切る言葉になっていればと思いました。

水というあたりまえ?/髙木 毬子(審査員・同志社女子大学教授)

 これまで祭りをテーマとしてきた全国高校生ポスターコンクール。 2024 年度は、 ガラッとテーマを変えて「水とともに」。

 今はあたりまえに日本の日常生活に欠かさずある綺麗な、 そして安全な水。 ペットボトルを買えば水が飲める、 蛇口を捻ったら水が出てくる、毎日のお風呂やシャワー、お洗濯でもふんだんに水を使う。 水はあってあたりまえ、 途絶えることのない賓源に思われているのではないでしょうか?

 707枚の応募作品からは、 まるで 「なんで水?」 と不思議がっている気持ちが伝わってくるデザイン がいくつもありました。

 環境破壊、地球温暖化によって様々な異常気象の現象として干ばつ、蔽雨、洪水、海面の上昇など、この瞬問でも世界のあちこちでおきている。

 このような問題とデザインの接点はどこにあるのでしょうか?

1 つの答えは、ポスターのデザインが有効的な視覚的コミュニケーションツールであることだ。

全体評宮川友子(審査員・岐阜市立女子短期大学講師)

 テーマが変わり、いわゆるポスターとして考えやすいものだったと思います。多くの作品は絵の具による手描き表現で、①「水」といえばということで青色、雫の形、 透明であることなどを直接的に表現しているものと、②そこから想像を膨らませて発展した表現に挑んでいるものがありました。 これはどちらもありだと思います。テーマと自分のモチーフをどのように組み合わせて表すか、取り組みがいがあったでしょう。

 そして、 テーマの中に③環境など社会的なテーマを含んでいるものと、④主に身の回りの心情について表しているものがありました。これは、 個人的には③を評価したい気持ちがあります。 これはポスターの目的が、 見る人に訴えかけて心や行動を動かすものだからです。 国際化社会の中で、 日本の 高校生ももっと社会や環境に関心をもち発言していく力をつけていって欲しいと思っています。

入賞したものたちは、それらのカテゴリにあてはまる部分と、それにプラスして、「何か人へ伝えたい」 という色や形に表せない気持ちを感じるものがありました。 

●審 査 員

伊藤豊嗣(審査員長・グラフィックデザイナー)

堀冨士夫(日本国際ポスター美術館館長)

髙木毬子(同志社女子大学教授・グラフィックデザイナー)

宮川友子(岐阜市立女子短期大学講師・グラフィックデザイナー)

桐山岳寛(大同大学准教授・インフォメーションデザイナー)

主催:認定特定非営利活動法人  日本国際ポスター美術館

共催:大垣市、大垣市教育委員会、岐阜協立大学

後援:岐阜県、岐阜県教育委員会、(公財)大垣国際交流協会、大垣商工会議所、大垣青年重役会